日々の生活

2025年問題を前に医療費について考える

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こんにちは、このはです。2025年問題を目前に控えた今日この頃。多くの働く世代が増税におびえながら生活しているのではないかと思います。

今日は病院薬剤師の私が、実際に医療現場で目にすること、感じることを辛口テイストで書いていきたいと思います。それではどうぞ。

このは
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医療費が高騰している

日本の医療費がどんどん高くなっているのを、みなさんご存じですか?下図は国民医療費の推移です。右肩上がりに医療費が増えていますよね。

国民医療費とGDPの年次推移

引用元:日経メディカル https://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/all/clinic/nhc/maruwakari/202403/583590.html

医療費増加の理由

ここまで医療費が増えたのにはいくつかの理由があると私は考えます。

老齢人口の増加

言わずもがな、日本は少子高齢化社会が世界で一番進んだ国です。生産年齢人口よりも医療費を消費する老人が多い、しかも医療費の自己負担額は老人の方が少ないとなれば国が負担する医療費がどんどん増えるのは当然のことだと言えると思います。人口動態による医療費の増加については解決はもはや不可能と思われますが、もし解決するとすれば生産年齢人口の増加、つまり少子化の解決が必要となるでしょう。うん、無理だと思います(笑)

この問題に関しては、現役世代の税負担増加、高齢者の医療費負担増加、高齢者に対する適切な医療の実施、倫理に反しない範囲での延命治療要件等の再考が必要であると私は考えます。家族が年金欲しさに延命治療を要求する例も実際にありますしね。

高額医薬品の多用

皆さん、薬の値段ってどのくらいか知ってますか?医療費明細に記載されている薬代は1~3割負担のものですので、ざっくりとそれを3倍していただければよいです。一般的に汎用される風邪薬や痛み止め、抗生剤、アレルギー薬などは後発医薬品(ジェネリック医薬品)の処方が進み、比較的安価になってきてはいます。

しかし、最近の新薬や抗ウイルス薬には飲み薬でも1錠あたりウン万円という薬がたくさんあります。注射薬はもっと高くて1本100万円程度の薬を1週間に1回毎週死ぬまで使いますみたいな薬もあります。

集団予防接種によるC型肝炎について聞いたことがある方も多いかと思いますが、このC型肝炎の薬は1錠6万円もする薬を3か月にもわたって毎日服用します。3か月で540万円!対象の世代は昭和23年~昭和63年に予防接種を受けた人たち。つまり今一番人口ボリュームが多い層なんですよね。生活保護の人なんかも普通に服用してたりして、もちろん生活保護の方は自己負担がないので全額税金から支払われます。高額な医薬品が生活保護の方に使用されているのを見るといつももやっとしてしまいます。

あとね、95歳とか平均寿命を大きく超えている人に対して、高額医薬品をバンバン使う医者。その人、もし病気で入院しなくてももう天寿を全うしたと言えるんじゃないでしょうか?そんな年取った人に使うくらいなら、40代50代くらいの働き盛りの人にもっとリーズナブルに高額医薬品を使ってあげた方がいいんじゃない?っていつも思います。

1本1億円超えの小児難病の治療薬があるのですが、遺伝子治療薬で、1度投与するだけでその子の人生のADLが大幅に改善する可能性があります。1億円超えの薬をどう見るかは人それぞれかとは思うのですが、老い先短い高齢者に莫大な医療費をバンバン使うくらいなら未来ある子どもに使った方がよほど有意義なんじゃないかと個人的に思います。

平均寿命を超えたら高額医薬品は全額自費とかにするべきなんじゃないかと本気で思う今日この頃です。

不要な薬をもらう、必要な薬を飲まない

必要なものを必要な時に適切に使用するだけであればそこまで医薬品代はかからないと思うんです。慢性疾患の高齢者が必要な薬をきちんと服用して、悪化させないことで入院による医療費を使用せずに済むというのは理想的な医療の形だと思います。

私は病院で薬剤師をしているのですが、現実には薬が適切に使用されていないことで脳梗塞や心筋梗塞を起こしたり、病状が悪化して入院したりするケースがそれはもう本当にたくさんあります。

入院してきた患者さんの薬(持参薬)をチェックして自分の病院にある薬との対応表を作るという仕事があるのですが、このときにしばしば遭遇するのが、薬をもらっているのにほとんど服用していないという人。受診はきっちりして薬を毎回もらうけど全然服用していないという方、いったい何のために受診してるんでしょうか?医師は処方薬を飲んでいるということを前提に検査結果などを判定して薬を変更したり継続したりといった判断をします。薬を飲まずして適切な医療を受けられるでしょうか?悪化するだけですし、そもそも飲まない薬をもらい続ける、病院に受診し続けるというのは完全に医療費の無駄遣いです。

下剤はおなかが緩くなるからいらないけど先生が毎月出してくれるからと言って1000錠近い下剤を持ってくるような患者、そんなに持ってたら1年、2年は下剤いらないでしょう?どうしていらないと一言先生に言えないの?その薬ただじゃないんですよ?あなたの医療費の9割は税金です!

とまあ、こんな人が1人や2人とかじゃなく結構いるんですよね。

薬が飲めていない原因は色々で、本人の認知症が進んで家族も認知症で管理ができていなかったりとか、本人の判断で勝手に飲むのをやめていたりとか、好きなものだけ飲んで肝心な薬は全然飲んでいなかったりとか。個人の事情はあると思いますが、そもそももっと適切に医薬品を使っていけば医療費の1~2割は減るんじゃないでしょうか。個人的な主観なので悪しからず。

薬が飲みたくないなら病院に通わなくてもいいから、悪くなっても救急車を呼ばない!必要な薬を飲まなくて悪くなったらそれは自己責任!

薬の種類が多すぎるのが嫌なら種類を減らしてもらうように先生に頼む!

いかがだったでしょうか?

普段から思ってたこと、言いたいことを書いたらすっきりしました(笑)これから医療費がどんどん増加していく世の中、皆さんが少しでも何か考えるきっかけになれたら幸いです。

最後までご覧いただきありがとうございました!

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共働き二児の母
こんにちは、フルタイム共働きで男の子2人を育てている「このは」です。夫は激務で平日と休日の日中はほぼワンオペ状態で悪戦苦闘中。
いわゆる「機能不全家族」出身で、母は私に執着する過干渉タイプの毒親でした。
色々ありましたが今は毎日楽しく暮らしています。
料理とハンドメイドが趣味。やりたいことが多すぎて、時間的に余裕のあるサイドFIREにあこがれて資産形成の勉強&実践中です。
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